現在,Day Surgeryに対してのニーズは少なくない.第一に,早期社会復帰や便宜性の点から患者サイドからの要求であり,また医療費削減という観点からの社会的な二一ズである.医療費削減の観点からいえば,ここ数年来の経済不況から健康保険収支は赤字となり,今後高齢化社会に移行するに伴い医療費の増加が見込まれており,平均在院日数が多い現状において不要な入院を避け医療費が少なくてすむ外来手術の推進が望まれているわけである. とくに肛門疾患は良性であり手術侵襲も少ないためday surgeryの格好の適応となりえるわけで,現に肛門科開業医でday surgeryを行っている医師は少なくなく,今後はますます肛門疾患のday surgeryへ対する二一ズは増加することが予想される. ところで,入院手術に慣れたものが実際にday surgeryを行うとすると解決しなくてはならない様々な問題が生じてくる. 本書においてはday surgeryを行う際に間題となる点について実際にday surgeryを行っている先生方に質問を設定し,それに答えていただく形式とすることで,その実際のノウハウを明らかにしようとした. 内容としてはday surgeryの適応から始まって,術前検査や準備,麻酔法,体位,形式の実際,そして術後管理の仕方まで多岐にわたったため,総論に終わった感がなきにしもあらずであるが,本書によりday surgeryを効率よく充実して行っていく上で,どのような配慮,工夫が必要かを理解いただけると思う. 本書が今後,実際にday surgeryを行う方々の参考となり,明日からの臨床に役立つこととなれば幸いである. 2000年8月
岩垂純一 (本書序から) 肛門疾患 Day Surgeryの実際 編集 岩垂純一 真興交易(株)医書出版部 |