肛門科診察の実際
監修
社会保険中央総合病院
大腸肛門病センター長
岩垂純一
診察を受ける日に
肛門科をはじめて受診するのに、特別な準備はいりません。
ただ一つだけ、診察を受ける上で是非とも知っておいていただきたいのは、「診察を受ける前には、排便を済ませておく」ことです。というのも、直腸に便が詰まった状態では、充分な診察ができないからです。せっかく、一回の診察で済むところを、また足を運んでもらうことになりかねないのです。
ただし、下剤を服用したり浣腸をするのは間違いです。このような薬を用いると、直腸の粘膜まで刺激してしまい、炎症が起こっているかどうかの診察が難しくなってしまうからです。
ふだんから朝にスムーズな排便ができるように、睡眠を充分にとり、早めに起きて朝食をしっかりとるなど心がけて下さい。
問診
診察でまず行われるのは、問診です。問診には、医師から直接質問を受ける場合と、問診表に記入する場合とがあります。いずれの場合も、問診を参考に診断を進めていきますので、正確に答えられるようにしたいものです。
自分の症状をできるだけ理解しておきましょう。
痛み:痛みがあるかないか、痛む場合はいつか、どのように痛むかなど。
出血:肛門からの出血はあるか、ある場合はいつ・どのくらいの量で・どの様に出血するかなど。
脱出物:肛門から脱出物はあるか、ある場合はいつ・どんなときに脱出するか、それは自然に戻るか・指で押し込めば戻るか、それとも出っぱなしか。
腫れ・かゆみ:腫れ・かゆみはあるか、ある場合には、どの部分でどの程度なのか。
分泌物:分泌物はあるか、ある場合はいつ・どこから・どんなものが出るのか。
便通:排便の回数、便の形状や硬さ、排便時間、残便感の有無など。
このほかに、既往歴や手術歴、家族の肛門疾患の有無、最近の大腸検査の有無などの質問もあります。